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手塚治虫が幼い頃に観た、謎の映画 [4]
地球の誕生シーンは、エアブラシ画 ? のオーヴァーラップと一部アニメ・特撮で表現されており、太陽系の惑星が廻っている「仕掛け」のある特撮シーンは出てこない。

恐竜のモデルアニメは、かのウィリス・オブライエンが The Ghost of Slumber Mountain (1918) のために撮影したが、本編未使用に終わったカットを流用したといわれる。

さらに、[3] に貼ったような、恐竜モデルをミニチュアセット (屋外らしく、木々が風にそよいでイイ感じ) に置いて操演・撮影した、非モデルアニメのカットも登場。

手塚が語っているような、恐竜親子 (トリケラトプスである) の場面も見受けられた。

だが。
どう転んでもウーファは関係ないし、胎児の成長特撮も出てこない。

IMDbを見ると、本作はアメリカとベルギーの合作になっており、ベルギーの神経内科医・教育 心理学者であるオヴィド・ドクロリがマックス・フライシャーと共同監督したように書かれているぞ。
コレ、先述したように、純然たるアメリカ映画のはずだがなぁ。

ひょっとして…
ヨーロッパ配給時、日本の怪獣映画が海外公開されたときのように、新撮を加えた別バージョンがドイツで作られ (ドクロリはベルリン大学で学んでいる)、ウーファ経由で何故かイギリス映画として制作後7年目に、『世界の一億年』の邦題で日本に輸入紹介されたのか ?
推理はイロイロ出来るけど、もうお手上げである。
戦前の作品に強い、スージー・アラビア氏に教えを請うことにした。
そして、なんと。
制作年度など詳細不明だが、『大自然と創造』という邦題の文化映画は実在し、昭和13年…1938年2月1日にSY系 = 松竹洋画系で日本公開 (配給は松竹でなく、AOK文化映画社らしい。白黒・日本語解説版・7巻) されている事を知るのである。

スージー氏のサイト 映画人外魔境
http://eigajingaimakyo.web.fc2.com/
キネ旬に広告も出ている ? という話もメールで伺ったが、詳細は不明とか。

う〜ん、ネット上で これ以外のことは判らない。
スージー氏に頼るばかりでは失礼なので、少しは自分で動こうと、図書館へ行ってみた。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 10:04 | comments(11) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
コメント
こんばんは。
10年近く前に、一度コメント(ゴジラと200万年問題)させて頂いた者です。
『The Ghost of Slumber Mountain』に関して検索していたところ、再びこちらに辿り着きました。

この件、私も「季刊 映画宝庫 SF少年の夢」を読んで以来、気になっていたのですが、その件に関する情報などは持ち合わせておらず、今回は気づいた件を一点だけ……
『世界の一億年』の「恐竜モデルをミニチュアセットに置いて操演・撮影した、非モデルアニメのカット」という箇所ですが、これは東山動植物園の恐竜像のモデルになったとも言われる、ドイツのハーゲンベック動物園の野外恐竜像をそのまま撮影したものだと思います。
| esme | 2019/09/30 12:25 AM |
esme様、コメントありがとうございます。
以前コメント頂いたのが10年前ですか、あっという間ですね。
ドイツの動物園の大きな恐竜像をそのまま撮影…なるほど、背景の植物はミニチュアセットでなく、実際の樹木なのですね。
するとこの部分は、やはりドイツ製ドキュメンタリーのフッテージと考えるのが妥当でしょうか。
買い付けた海外作品に他作品のフッテージや新撮を加え公開するというのは、東宝怪獣ものやロシア製SF映画でもよくありましたから、権利関係がうるさくなかった時代、ましてやマイナーなドキュメンタリー映画。独自編集されたフィルムだけが、現存しているのかも?
謎は深まりますが、仕掛けバレバレの惑星公転特撮だけは死ぬまでに観たいものです。
東山動物園は地元ですので、あの恐竜像は幼時から好きでした。1938年(奇しくも『大自然と創造』公開の年です)に作られたブロントやイグアノドンは、2017年に補修再公開されましたが、昔あった池は無くなったようです。
| J・KOYAMA | 2019/10/02 6:30 PM |
前回のコメント、正確には9年半前ですね。
以前から老朽化による危険性が指摘されていた恐竜像、無事補修されていましたか。そういえば、補修のため一定期間恐竜像が見られなくなるという報道を聞いた記憶が。取り壊しなどという方向に行かなかったのは何より。

スージー・アラビア氏のサイト中、現在閲覧できない「笑うな危険!」(だったと思いますが)『The Ghost of Slumber Mountain』の恐竜フッテージを流用した『世界の一億年』とは別の(?)映画の日本公開時の広告が紹介されていた記憶があるのですが。
洋泉社発行の『モンスターメイカーズ』によると、『Two Men of Painted Butte』(1919)という映画にも流用されたとか。

ところで、この映画のことを調べている段階で、思わぬ発見が……
(既にご存じかもしれませんが)
Youtubeに一ヶ月前に投稿された動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=oQoJKKKEevM
まさか、この映画が観られる日が来ようとは。
しかも、これほどの画質で!
| esme | 2019/10/04 11:34 PM |
どうやら映像ソースは『Silent Roar: The Dinosaur Films of Herbert M. Dawley DVD The Ghost of Slumber Mountain and Along the Moonbeam Trail』というDVD(故S.A.ツェルカス著DVD付きの伝記本と、DVD単体の2種のリリースがあるようです)。
ハーバート・M・ドーリーが『The Ghost of Slumber Mountain』に続き製作したこの映画、恐竜フッテージに関し、最近まで『The Ghost of Slumber Mountain』のアウトテイク映像を継ぎ合わせたにすぎないというのが定説でしたが、観て判るように全然そんなものではありませんでした。
オブライエンと決別後のドーリーが自力で作り上げたものだったのです。特撮の歴史に於いてオブライエンとの関係で悪役として登場させられてきたドーリーでしたが、定説とは異なり彼自身大変才能のあるアニメーター・造形家だったことが判明してきました。
映画『恐竜の惑星』の製作者で古生物学者でもあるツェルカスによる調査と『Along the Moonbeam Trail』 (1921)の35ミリフィルムの発見・修復により、歴史が書き換えられようとしていると……詳細はこちら(↓)
ttp://www.allsci-fi.com/viewtopic.php?p=22988&sid=ddf5369a1f9f01d519f429dd1dd17ec8
オブライエンとの確執に関しては双方に問題があるようですが、発端はオブライエン側の重大な背信行為から来ているようです(それによってオブライエンの功績が地に落ちるわけではありませんが)。

既にご存じの件でしたら、申し訳ありません。
この件、書きたいことがまとまりませんので、5ちゃんねるの「外国の怪獣映画」スレにて少しづつ書き込み、同好の方々に布教してゆくつもりです。
| esme | 2019/10/05 12:40 AM |
こんばんは、YouTubeにアップされた Along the Moonbeam Trail を拝見。全く知りませんでした、ありがとうございます。
後半の恐竜がらみ(耳が造形してある)も良いですが、飛行機と顔のある三日月との絡みや、バランみたいなコウモリ怪獣が驚き。
箒の魔女と飛行機を、天界の軍神?が交通整理するところが、私のベストカットです。
洞窟のようなところに主役が追い詰められ、怪獣に襲われたり観察するシーンは特撮映画の定番ですが、これが嚆矢?
IMDbによると、監督のドーリー氏は大阪万博の年に90歳で大往生のようですが、特撮を見限り舞台やラジオドラマに活路を見出した理由は何なのか。
冒険に誘う妖精みたいな女性の役者名がテロップで不明なのも、好事家の好奇心を煽ります。
| J・KOYAMA | 2019/10/08 11:28 PM |
ありがとうございます。

その後、少し勘違いをしていた気がしてきました。
スージー・アラビア氏のサイトで紹介されていた広告は、「別の映画」ではなく『世界の一億年』そのものだったかもしれません。
『世界の一億年』と『ダーウィンの進化論』が結局同じ作品という結論だったのですかね。
(私が他のサイトと勘違いしているのでなければ)「恐竜フッテージは『眠れる山の幽霊』からの流用ではないか」とコメントさせて頂いた記憶があります。

『Along the Moonbeam Trail』に登場のコウモリ怪獣は、おそらく翼竜のつもりなのでしょうが、ドーリーの恐竜観が(前作とは異なり)怪獣に近いのが気になります。
最近の海外サイトを見ますと『The Ghost of Slumber Mountain』の恐竜モデルはオブライエンではなくドーリー(アマチュア古生物学者でもあった)が製作したと書かれていますが、実際はどうだったんでしょうか。
彼の伝記本は、ツェルカスの創設したユタ州「ダイナソー・ミュージアム」からのリリースだったようですが、残念ながら既に完売。DVD単体の商品は現在も入手可能な模様。

5ちゃんねるの「外国の怪獣映画」スレに手始めにYoutubeのリンクを書き込んだのですが、まったくの無反応でした(苦笑)
同スレには、それでも少し時間をおいて知り得たたことを書き込んでいくつもりですが。
| esme | 2019/10/16 9:40 PM |
さらなるコメント、どうもありがとうございます。勉強になります。
『世界の一億年』、手塚治虫が観たという『大自然と創造』、私が調べた新聞に載っていた『自然は廻る』。
気になって当ブログに書いたのは5年前で、もうすっかり忘れていましたが、esme様のコメントで記憶が引き戻されました。
Along the Moonbeam Trailのコウモリ翼竜はポスターにも出てますから、本作の売りだったのでは。近代メカ(飛行機)が怪獣に追われるというのも、当時は斬新だったでしょう。戦闘シーンがあれば、なお良かったかと。
飛行機を操縦する男性も、ドーリーさんが演じたようですね。
なお、ドイツ製文化映画で英題 Fifty Million Years Ago (1925)には恐竜モデルアニメシーンがあり、成虫メガヌロンも出るようです。
| J・KOYAMA | 2019/10/20 10:32 AM |
Fifty Million Years Ago (1925)、まったく知らなかったのですが、Youtubeで視聴することができました。
貴重な情報、どうもありがとうございました。
大変な収穫でした。

Youtubeにはあがっていないと思い込んでいた、ロスト・ワールド(1925)のアウトテイク映像も確認できました。
https://www.youtube.com/watch?v=Ena05qoGO1I
| esme | 2019/10/20 11:33 PM |
『ロスト・ワールド』のアウトテイク集、拝見しました。これは凄い、まだ1000人程度しか観ていないようです。
Along the Moonbeam Trailのトラコドン?もやっていた、牛のようなすり潰す口の動き。アウトテイクのブロントもやってますね。
esme様の疑問、モデルをドーリーが作ったかオブライエンが作ったかですが、外皮はともかくモデル骨格の口の部分の仕掛けに限ってはオブライエンのような気がします。静止しているところなら良い勝負ですが、歩きに関してもオブライエン恐竜とドーリー恐竜では格段の違いがありますから。
5ちゃんねるだけでなく、今後も是非こちらへもお書き込みください。コウモリ翼竜の実物、気に入ったので久しぶりにこちらで記事にしようと思っております。
| J・KOYAMA | 2019/10/22 7:18 AM |
こんばんは。
前述の私が見た海外サイトはこちらでした。
https://scifist.net/2018/07/31/the-lost-world/
エジソン社での仕事でオブライエンが製作した恐竜モデルがまだ漫画的な造形であり、ロスト・ワールドやキング・コングでの恐竜の多くが、オブライエンがスカウトしたマーセル・デルガトの作品…ということを考えると、転機となったGhost of Slumber Mountainでのオブライエンとドーリーの役割分担が気になるところではあります。
伝記本である程度解明されているのでしょうが、事実上の絶版状態ですからね。
しかし、オブライエンの才能が圧倒的なものであることは疑う余地がない事実ですし、新事実が出てきたことでドーリーを極端に過大評価することには慎重になるべきかもしれません。

私の個人的興味に任せあまりにコメントを連発しましても、ご対応が大変でしょうし、そろそろコメントを遠慮させていただこうかと思っていたのですが…お言葉に甘えてもよろしいでしょうか。
実はここ最近、興味深い発見が幾つもあったのです。
| esme | 2019/10/23 11:41 PM |
こんにちは。
最初ドーリーって、エジソン社時代のオブライエンの才能に目を付け引き込んだ、自分もモデルアニメをやりたかった山師的な映画人と思ったのですが、調べるとそうでもないんですね。
5年前の記事に いつまでもコメント頂くのは何なので、Along the…の感想含め久々にこちらのブログ用に記事を書いております。明日アップできると思いますので、一読いただき、今後はこちらへコメントを頂けると幸いです。
ちょっと面白くない件があってから、投稿をほぼしていないこちらのブログですが、旧稿のおかげで今も閲覧数はそこそこあります。新情報が得られるかもしれません。
今後も、esme様の豊富な知識を是非ご開示ください。
| J・KOYAMA | 2019/10/24 11:32 AM |
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