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手塚治虫が幼い頃に観た、謎の映画 [1]
2012年に亡くなった石上三登志の、「定本 手塚治虫の世界」(2003 東京創元社) を古書店で手に入れた。
手塚評論集として重要な「手塚治虫の奇妙な世界」とその増補版「手塚治虫の時代」を、さらに増補改訂した一冊だ。

この中に、昔「季刊 映画宝庫 SF少年の夢」(1978 芳賀書店) で読んだ石上と手塚の対談、「SF映画が好きなんだ !!」も入っている。
手塚マンガからの『ミクロの決死圏』アイディア盗用疑惑、スタンリー・キューブリックからの『2001年宇宙の旅』スタッフ参加打診話、わたくしは この対談で初めて知った。
自慢めいた部分も含め、現在50歳 前後の映画ヲタクには、忘れがたい対談だったと思う。

この2点については、数年前に拙ブログで検証したことがあるが、キューブリックの打診については届いた手紙の封筒のみ後に「芸術新潮」で公開され、わたくしは疑っていたことを恥じたものだ。

今回 読んで「オッ」と思ったのは、対談中に出てくる、手塚が幼い頃 住んでいた兵庫県 宝塚で観たという、謎の映画2本について注釈が入っていたことだ。
その映画は『ラジウムX』と、併映されていた文化映画『大自然と創造』。
日本公開映画リストなどに、該当する題名が見当たらない作品である。
手塚が観たのは、昭和10年代のこと。
1928年 = 昭和3年 生まれだから、10歳 前後だったと思われる。

『ラジウムX』については、わたくしが知らなかっただけで、とっくの昔に判明していたという。
それは、ボリス・カーロフとベラ・ルゴシが共演した、ユニヴァーサルの怪奇SF映画『透明光線』(1936 アメリカ) であった。

監督はランベルト・ヒルヤー。聞き慣れない名だが、1950年代まで怪奇映画や西部劇などを多作している。
この人、1943年に連続活劇版の『バットマン』も作っていた。敵は なんと、日本のスパイだという !

『透明光線』について簡単に書くと。
アフリカに落ちた隕石を調査した科学者 (カーロフ) が、そこに含まれていた未知の放射性物質・名付けて“ラジウムX”の影響で、見つめたり触れたりした人間を殺す能力を身につけてしまう話だ。
上映時間は80分。
日本公開は、アメリカと同じ1936年 = 昭和11年。

本編では、上のポスターみたいに目からビームを出すわけじゃありません。

光学アニメ合成で、カーロフが発光するイメージ。
特撮は名手ジョン・P・フルトンで、東宝の『ガス人間第1号』(1960) に影響を与えているかも知れない。

タイトル違いは手塚の誤記憶なのか、宝塚の映画館 (当然2〜3番館か、古物映画が併映されていたニュース映画劇場) で上映の際、『ラジウムX』と改題上映されたのか。
それは不明である。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 08:36 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
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