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杉良太郎のコラム「徳島の女優」 解決編
9月19日にアップした「徳島の女優」の件について、杉良太郎ファンの はぐれ道 様より“回答”が寄せられました。
以下、了解を得た上でコメントを編集・加筆し、紹介するものです。

…杉さんの著書「人生すきま風のごとく - 愛に生き、愛に傷ついて 」(1984 講談社) でも書いていますが、この女優は、四国札所の4番・大日寺の住職の娘さんで、真鍋明子さんです。
番組後に結婚して子供を生んで間もなく、内臓がんで亡くなったと書いてあります。

大日寺 (だいにちじ、徳島県板野郡)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E5%AF%BA_(%E6%9D%BF%E9%87%8E%E7%94%BA)
http://www.shikoku.gr.jp/henro/4/

本では「中谷一郎さんとの共演で、妹の役」とありますが、これは杉さんの記憶違いで、「恩ある人の娘さんで、女郎に身を落として労咳で死ぬ」という役です。
余りに忙しくて細かいストーリーを忘れられたのでしょうが、死の場面に杉さんも一緒でしたので、演技の印象が強く残っていたのでしょう。

『右門捕物帖』(1974 - 75 NET = 東映、全51話) の放送を録ってあったので観返しましたが、36話「兄弟」というサブタイトルの回です。
確かに真鍋明子さんの名前がありました。
他のゲストスターは 新克利、久慈あさみ、鶴見丈二、成瀬昌彦、山本清。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B3%E9%96%80%E6%8D%95%E7%89%A9%E5%B8%96_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E_1974%E5%B9%B4)

時代劇専門チャンネルは加入していても、なかなか『右門捕物帖』の最初のシリーズはやってくれなくて、ようやく東映チャンネルで待望の若い右門を夏からやってくれました。
子連れ右門とかスペシャルはよくやるのですが、これを待ちに待ってたんですよ。

この36話では、男兄弟のうち中谷さんが兄の役。
やっと巡り合えた娘さん・おすみ (真鍋) は廓の中で、彼女を身請けしようと中谷さんは また悪の仲間に入り罪を犯します。その為に おすみ は捕われの身になり、体が弱ってたので中谷さんに抱かれて血を吐いて死ぬのです。

真鍋さんは、杉さんの好みそうな雰囲気と演技力のある女優さんと感じました。
薄幸の女をやらせたら、葉山葉子さんのように上手いでしょう。

中日新聞掲載の「紙つぶて」は関西の私は読めなくて、パソコンで捜します。「この道」の時は取り寄せていました。
神戸新聞では「想いのままに」が連載中です、これは売店に買いに行けます。
これを機会に杉 良太郎という人にも少し興味を持って頂けたら、時代劇ファンの私にとっても嬉しいです。ぜひ、興味深いリポートを お待ちしています (笑)。

http://www.r-sugi.com/
杉さんの公式ホームページも宜しくお願いします、私もコメントしています。…

どうもありがとうございます。
またひとつ、胸の支えがおりました。
調べたところでは この真鍋明子という方、小沢昭一らが所属した 劇団・俳優小劇場 の女優だったようで、メインは舞台だったのかも。

http://www.h4.dion.ne.jp/~terutsuu/TeruW2-HitoHito.html
テレビは、1966年頃から大河ドラマを始め数本の出演歴があります。
劇場映画には出ていないようですね。
ネット上で確認できた出演作を以下、列挙します。

・『源義経』(1966 NHK)
大河ドラマ4作目、全52話。
尾上菊之助主演。弁慶は緒形拳。
真鍋は、源頼朝 (芥川比呂志) の侍女役らしい。端役でテレビ初出演か ?
まったくの余談だが、調べていて頼朝配下の役に高木新平 (戦前のアクションスター。『七人の侍』野武士頭目、『月光仮面』マンモスコングの造型・スーツアクターも) や岸田森の名を発見。

・『泣いてたまるか』(1968.3 TBS) 79話「川は涙の通り道」
1966年春から68年春まで続いた、1話完結の人気シリーズに出演。
渥美清主演で始まったが、青島幸男との交代制になり、この頃は渥美と中村嘉津雄の交代制になっていた。全80話。
終了直前のこの回は中村主演。ゲストは 笠置シズ子、河野秋武。

・『おしん』(1969.12 NHK)
あの国民的連続テレビ小説とは関係がない。夜9時台に放送された30分もの“銀河ドラマ”のひとつ。
大正中期から現代に至る時代背景の中で、大阪の風鈴作りの家で生まれた無気力な男の半生を軸に、世にいう「過保護家庭」の風潮を風刺的に描く。
主演は乙羽信子、八千草薫、江原真二郎ほか。

・『木曾街道いそぎ旅』(1973 CX) 3話
大ヒット作『木枯らし紋次郎』の後番組で、股旅もの。
壺ふりの おしのを探して旅を続ける、ニヒルな「裏街道の銀次」と、陽気な「成り行きの辰」の道中記。全17話。
主演は露口茂、山口崇ほか。

・『右門捕物帖』(1974 NET) 36話「兄弟」 前述
真鍋の役名は おすみ。
“聞き取り”のため、シナリオでは漢字表記かもしれない。

・『破れ傘刀舟 悪人狩り』 (1974 NET) 13話「闇の黒幕」
1974年秋から77年春まで続いた、「てめぇら人間じゃねぇ!たたっ斬ってやる」のフレーズが有名な、蘭医・叶刀舟 (萬屋錦之介) の大暴れ時代劇。全131話。
真鍋の役名は お甲。
1974年のクリスマス・イブに放送された この回のゲストは 江守徹、岩本多代、金田龍之介、村上不二夫。

・『座頭市物語』(1975 CX) 14話「赤ン坊喧嘩旅」
1974年秋から75年春まで放送された、人気映画のテレビ版。全26話。
真鍋は“赤ン坊”の母親で、市と間違えられて 岸田森 に殺される おとよ の役。市が子連れ旅をするキッカケとなる役どころである。
この回は主演の勝新太郎 監督作で、1975年1月16日の放送だった。ゲストは ほかに大谷直子、中山仁。

真鍋の、この作品以後の出演記録はネット上で見つけられなかった。
こうして見ると、1974年後半に当時の人気時代劇シリーズへ連続出演しているのが判る。
『右門』も、その中の1本だったような。
結婚・引退が視野に入った、女優としての「思い出作り」だったかも知れぬ。
その先に待っていたのは、予想もできぬ「辛い運命」だったわけだが…。
http://www.tvdrama-db.com/simple_result.htm?key=%E7%9C%9F%E9%8D%8B%E6%98%8E%E5%AD%90&x=41&y=6

東映チャンネルでやった番組は時代劇チャンネルでもやる事が多いので、『右門』が時代劇チャンネルで始まったら、真鍋明子が出演している このエピソード・36話は絶対チェックしようと思います。

※追記 杉さんの著書によると、真鍋明子は 劇団・俳優小劇場 ではなく「文学座の研究所を出た若い女優さん」と書かれているそうだ。
俳優小劇場は1971年に解散しているので、その後 文学座へ移ったのかもしれない。
また「亡くなって昭和59年で7年になる」とあり、没年は1977年と思われる。(2011年10月14日)
| 今週のわたくし2011 SUBCULTURE DIARY 2011 | 11:17 | comments(8) | - | ↑PAGE TOP
コメント
この様に詳しくよくお調べになりましたね、感心しております。
約束通りに、この様にアップして頂き、ほんの少しのお手伝いなのに
うれしく思います。
これからも、紙つぶて ご覧下さいね。
杉さんのホームページにコピーして送ります、コメントには載りませんが、読んで貰えると思いますので。
| はぐれ道 | 2011/10/13 6:06 PM |
恐縮です。

こうして書いておくと、意外な新事実が判ったりする経験を今までにもしていますので、今回も何か情報が寄せられると嬉しいのですが。

「兄弟」の真鍋さんの画が本当は載せたいのですが、はぐれ道様はテレビの画面撮影などは なさらないでしょうから…せめて役名だけは書いておきたいので、是非ご教示の程。

この冬、時代劇専門チャンネルでテレビ版『座頭市』が連続放送されるとの事。
真鍋さん最後の ? テレビ出演作「赤ン坊喧嘩旅」がチェック出来ましたら、また一文を草するつもりでおります。
| J・KOYAMA | 2011/10/14 12:27 AM |
役名を載せなくちゃ片手落ちでしたね、もう一度ざっと見直しました。  中谷さんは、せんたろう 真鍋さんは、おすみ 弟は、ともきち です、劇中何度か、おすみ、おすみと言うのですが、どうもおすぎ に聞こえたりして(笑)

本も見直すと、右門は京都ではなく、川崎の生田撮影所のセットで、
俳優座の中谷さん、文学座の研究所を出た若い女優さん二人がカメラの前で共演中で、息を引き取る芝居に没頭しているところだった。

杉さんの出番が終わるともう撮影所の外だったので、彼女の仕事ぶりを見たのは、最初で最後だった。

その後、ようやく捜して分り、全国縦断コンサートで徳島に行った時に、父親に会い、嫁ぎ先の菩提寺の墓地を訪ねた。

亡くなって昭和59年で7年になる、子供さんは元気に小学校に通っているとか、アルバムも見せて貰い、ずっと美しかった。

その夜のコンサートで体験談を話しながら、とめどなく涙が流れ、
とうとう歌えなくなった、歌い手にあるまじきことだが、客席もまた涙を流して会場はとんだ愁嘆場になった。

季節のうつろいに透明な美しい羽の舞いを見せて、数時間の生涯を
はかなく終えるウスバカゲロウにも似た明子さんの死を思うたびに、
私の胸はキュッと痛み続けるのである。

いつまでも、こんなに想われて、美人薄幸でも羨ましいです。

ところで、画面撮影などとんでもない、杉さんのファンでは若いとは
いえ、もう還暦、私の年代でパソコンを使う方はまれですね、
年上になると70代、携帯のメールも平仮名ばかりで来ます、読みにくくて(笑う)メール出来るだけでも偉い。
私の出来るのは、コピーして他のに乗せるのが出来る位です。
まだいつまで経っても、指一本づつで打っています。

番組がいつか放送されて、内容が見れるといいですね。
| はぐれ道 | 2011/10/14 2:21 AM |
どうもありがとうございます、役名を追記しておきます。
「亡くなって昭和59年で7年になる」ということは、真鍋さんの没年は1977年のようですね。

杉良太郎さんの活躍ぶり、昨日のワイドショーでもベトナム公演の様子が流れていました。
わたくしは今回の件が、杉さんの古い出演作品に目を向ける機会となるような気がします。
失礼ながら今まで、ミフネや近衛や勝主演作のように、「録画してチェック」しようとまでは思っていなかったスターだったので…(ウチにある杉さん出演映画ビデオは『拳銃は俺のパスポート』だけ。これは秀逸な日本製アクション映画ですね)。
そして杉さんに強い印象を残した、真鍋さんの画を貼る機会が訪れるのを待ちたいと思います。
| J・KOYAMA | 2011/10/14 9:34 AM |
ははは、そうですか、では、真鍋さんに興味があって、あの記事に惹かれたんですね。
私はその作品名も知りません、へーって感じです、日活作品ですか、
本の巻末にも載ってません、かなり初期かしら、兎に角、日活でのいい思い出が無いらしく、ほとんどその時代は話題から外してますね。

裕次郎さんとは長く親交もあり、葬儀にも夜中に行かれてます、裕ちゃんの悪口は言いませんね、初対面から挨拶をきちんとしてくれたそうで、日活では、タフガイならぬ骨ガイと言う位、痩せていて、
主役は最後の一作45年の「花の特攻隊」だけ、「水戸黄門」が前年に始まってます。

いまでも渡 哲也さんだけには頭が上がらないとの噂です、中々人に
媚ない、お世辞も言わない、信念を持った杉さんなので、衝突も多かったのです。

この主役作品だけが、見れていません、放送してくれなくて、他のは
数作見ました、、、私は時代劇の杉さんのファンですね。
| はぐれ道 | 2011/10/14 2:19 PM |
貴重なお話、ありがとうございます。
日活には大スターがたくさんいましたが、石原裕次郎に好かれていたとは知りませんでした。
裕次郎作品に出ていたのかどうか、パッと思いつくのがありませんが。渡哲也主演作には助演していたようですね。
石原軍団入りの話はなかったのでしょうか ?

わたくしはご覧の通り特撮好きですが、昔『忍者ハットリくん』テレビ実写版に杉さんが出演しているというデマ情報を信じていたことを思い出しました (東映のフィルム管理が杜撰で、今のところ2話分しか発見されていないのです)。
| J・KOYAMA | 2011/10/15 10:46 AM |
ははは、ケムマキ君騒動ですね、同じくそう思ってました、忍者役も
ありますよ、「徳川おんな絵巻」で安田道代、長門勇さんと、44、45回です、これ善かったですよ、長門さんの最後。

日活は最近の放送で録画、「花と蝶」野川由美子「だれの椅子」吉永小百合、渡哲也「愛は惜しみなく」園まり「娘の季節」青春映画、
そして「嵐の果し状」小林旭、高橋英樹、任侠映画。

日活では、下積みで、ゴミ扱い、、渡さんに、一言のセリフに何回も駄目だしされ監督のいじめ、、、後で、スターになって撮影所に行ったら、向こうからすっ飛んで来た、、、杉さん、若かったから、恨みの一言いって車のアクセルを踏んだ、、、

裕次郎さんは、スターなのに別け隔てなく、自分が後輩なので日活食堂でカレーを食べてたのに、立って挨拶をしたそうです。
だから、男が男に惚れたのでしょう、お互いに好きだったのでしょぅ。

病気で長く休まれて、銀座の多数のホステスが寂しがってる時に、杉さんが、行って代わりにワンマンショーで、喜ばせ、裕ちゃんに伝わり、奥さんも感激されたとか。

杉さんの人徳かな、多くの大物、長谷川一夫、勘三郎、玉三郎の師匠
の吉弥、花柳きしょう、水谷八重子、美空ひばり、江利チエミ、、、大物政治家、田中角栄、福田総理は後援会長、、、などなど、可愛がって頂きました。

芸に厳しく、己の私利私欲でなく、芸道とファンの為に努力するから
でしょう、若い頃は人にも厳し過ぎたので、いろいろ誤解されましたが、決して「後家殺し」「女たらし」ではなく、硬派ですね。

これを機会に少しは、近付いて戴け、ありがとうございました。
最近は男性のファンが増えていますので、これからも宜しくね。
| はぐれ道 | 2011/10/15 12:49 PM |
追伸 渡さんに苛められたのと違いますよ、書き方がヘンでした。

監督が何十回も言わすんです、「日本一だぜ」の一言、「お前歌手か、歌手なのに僅かな台詞もちゃんと喋れないのか」つて。

杉さんは、一本5万円の役者、それでも厚遇されてたから、嫉妬とやっかみ、入社第一作が「海は真っ赤な恋の色」で準主役、作者は川内康範先生、ロミ山田の夫のプロデューサー岡田憲和さんの紹介で、川内先生にも気に入られ入り 4年間で20本だって。

裕次郎との共演も有るけど、見ていません、端役だと思いますから。

銀座のホステスの話は、杉さんが裕ちゃんの歌をいっぱい歌って、
寂しがっているのを慰めたの、甘い声は同じだから(笑)

ごめんね、杉さんを語ると、一日中かかるわ、こんな話にお付き合い頂きありがとう。
| はぐれ道 | 2011/10/15 7:12 PM |
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