2011.10.07 Friday
9月19日にアップした「徳島の女優」の件について、杉良太郎ファンの はぐれ道 様より“回答”が寄せられました。
以下、了解を得た上でコメントを編集・加筆し、紹介するものです。
…杉さんの著書「人生すきま風のごとく - 愛に生き、愛に傷ついて 」(1984 講談社) でも書いていますが、この女優は、四国札所の4番・大日寺の住職の娘さんで、真鍋明子さんです。
番組後に結婚して子供を生んで間もなく、内臓がんで亡くなったと書いてあります。
大日寺 (だいにちじ、徳島県板野郡)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E5%AF%BA_(%E6%9D%BF%E9%87%8E%E7%94%BA)
http://www.shikoku.gr.jp/henro/4/
本では「中谷一郎さんとの共演で、妹の役」とありますが、これは杉さんの記憶違いで、「恩ある人の娘さんで、女郎に身を落として労咳で死ぬ」という役です。
余りに忙しくて細かいストーリーを忘れられたのでしょうが、死の場面に杉さんも一緒でしたので、演技の印象が強く残っていたのでしょう。
『右門捕物帖』(1974 - 75 NET = 東映、全51話) の放送を録ってあったので観返しましたが、36話「兄弟」というサブタイトルの回です。
確かに真鍋明子さんの名前がありました。
他のゲストスターは 新克利、久慈あさみ、鶴見丈二、成瀬昌彦、山本清。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B3%E9%96%80%E6%8D%95%E7%89%A9%E5%B8%96_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E_1974%E5%B9%B4)
時代劇専門チャンネルは加入していても、なかなか『右門捕物帖』の最初のシリーズはやってくれなくて、ようやく東映チャンネルで待望の若い右門を夏からやってくれました。
子連れ右門とかスペシャルはよくやるのですが、これを待ちに待ってたんですよ。
この36話では、男兄弟のうち中谷さんが兄の役。
やっと巡り合えた娘さん・おすみ (真鍋) は廓の中で、彼女を身請けしようと中谷さんは また悪の仲間に入り罪を犯します。その為に おすみ は捕われの身になり、体が弱ってたので中谷さんに抱かれて血を吐いて死ぬのです。
真鍋さんは、杉さんの好みそうな雰囲気と演技力のある女優さんと感じました。
薄幸の女をやらせたら、葉山葉子さんのように上手いでしょう。
中日新聞掲載の「紙つぶて」は関西の私は読めなくて、パソコンで捜します。「この道」の時は取り寄せていました。
神戸新聞では「想いのままに」が連載中です、これは売店に買いに行けます。
これを機会に杉 良太郎という人にも少し興味を持って頂けたら、時代劇ファンの私にとっても嬉しいです。ぜひ、興味深いリポートを お待ちしています (笑)。
http://www.r-sugi.com/
杉さんの公式ホームページも宜しくお願いします、私もコメントしています。…
どうもありがとうございます。
またひとつ、胸の支えがおりました。
調べたところでは この真鍋明子という方、小沢昭一らが所属した 劇団・俳優小劇場 の女優だったようで、メインは舞台だったのかも。
http://www.h4.dion.ne.jp/~terutsuu/TeruW2-HitoHito.html
テレビは、1966年頃から大河ドラマを始め数本の出演歴があります。
劇場映画には出ていないようですね。
ネット上で確認できた出演作を以下、列挙します。
・『源義経』(1966 NHK)
大河ドラマ4作目、全52話。
尾上菊之助主演。弁慶は緒形拳。
真鍋は、源頼朝 (芥川比呂志) の侍女役らしい。端役でテレビ初出演か ?
まったくの余談だが、調べていて頼朝配下の役に高木新平 (戦前のアクションスター。『七人の侍』野武士頭目、『月光仮面』マンモスコングの造型・スーツアクターも) や岸田森の名を発見。
・『泣いてたまるか』(1968.3 TBS) 79話「川は涙の通り道」
1966年春から68年春まで続いた、1話完結の人気シリーズに出演。
渥美清主演で始まったが、青島幸男との交代制になり、この頃は渥美と中村嘉津雄の交代制になっていた。全80話。
終了直前のこの回は中村主演。ゲストは 笠置シズ子、河野秋武。
・『おしん』(1969.12 NHK)
あの国民的連続テレビ小説とは関係がない。夜9時台に放送された30分もの“銀河ドラマ”のひとつ。
大正中期から現代に至る時代背景の中で、大阪の風鈴作りの家で生まれた無気力な男の半生を軸に、世にいう「過保護家庭」の風潮を風刺的に描く。
主演は乙羽信子、八千草薫、江原真二郎ほか。
・『木曾街道いそぎ旅』(1973 CX) 3話
大ヒット作『木枯らし紋次郎』の後番組で、股旅もの。
壺ふりの おしのを探して旅を続ける、ニヒルな「裏街道の銀次」と、陽気な「成り行きの辰」の道中記。全17話。
主演は露口茂、山口崇ほか。
・『右門捕物帖』(1974 NET) 36話「兄弟」 前述
真鍋の役名は おすみ。
“聞き取り”のため、シナリオでは漢字表記かもしれない。
・『破れ傘刀舟 悪人狩り』 (1974 NET) 13話「闇の黒幕」
1974年秋から77年春まで続いた、「てめぇら人間じゃねぇ!たたっ斬ってやる」のフレーズが有名な、蘭医・叶刀舟 (萬屋錦之介) の大暴れ時代劇。全131話。
真鍋の役名は お甲。
1974年のクリスマス・イブに放送された この回のゲストは 江守徹、岩本多代、金田龍之介、村上不二夫。
・『座頭市物語』(1975 CX) 14話「赤ン坊喧嘩旅」
1974年秋から75年春まで放送された、人気映画のテレビ版。全26話。
真鍋は“赤ン坊”の母親で、市と間違えられて 岸田森 に殺される おとよ の役。市が子連れ旅をするキッカケとなる役どころである。
この回は主演の勝新太郎 監督作で、1975年1月16日の放送だった。ゲストは ほかに大谷直子、中山仁。
真鍋の、この作品以後の出演記録はネット上で見つけられなかった。
こうして見ると、1974年後半に当時の人気時代劇シリーズへ連続出演しているのが判る。
『右門』も、その中の1本だったような。
結婚・引退が視野に入った、女優としての「思い出作り」だったかも知れぬ。
その先に待っていたのは、予想もできぬ「辛い運命」だったわけだが…。
http://www.tvdrama-db.com/simple_result.htm?key=%E7%9C%9F%E9%8D%8B%E6%98%8E%E5%AD%90&x=41&y=6
東映チャンネルでやった番組は時代劇チャンネルでもやる事が多いので、『右門』が時代劇チャンネルで始まったら、真鍋明子が出演している このエピソード・36話は絶対チェックしようと思います。
※追記 杉さんの著書によると、真鍋明子は 劇団・俳優小劇場 ではなく「文学座の研究所を出た若い女優さん」と書かれているそうだ。
俳優小劇場は1971年に解散しているので、その後 文学座へ移ったのかもしれない。
また「亡くなって昭和59年で7年になる」とあり、没年は1977年と思われる。(2011年10月14日)
以下、了解を得た上でコメントを編集・加筆し、紹介するものです。
…杉さんの著書「人生すきま風のごとく - 愛に生き、愛に傷ついて 」(1984 講談社) でも書いていますが、この女優は、四国札所の4番・大日寺の住職の娘さんで、真鍋明子さんです。
番組後に結婚して子供を生んで間もなく、内臓がんで亡くなったと書いてあります。
大日寺 (だいにちじ、徳島県板野郡)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E5%AF%BA_(%E6%9D%BF%E9%87%8E%E7%94%BA)
http://www.shikoku.gr.jp/henro/4/
本では「中谷一郎さんとの共演で、妹の役」とありますが、これは杉さんの記憶違いで、「恩ある人の娘さんで、女郎に身を落として労咳で死ぬ」という役です。
余りに忙しくて細かいストーリーを忘れられたのでしょうが、死の場面に杉さんも一緒でしたので、演技の印象が強く残っていたのでしょう。
『右門捕物帖』(1974 - 75 NET = 東映、全51話) の放送を録ってあったので観返しましたが、36話「兄弟」というサブタイトルの回です。
確かに真鍋明子さんの名前がありました。
他のゲストスターは 新克利、久慈あさみ、鶴見丈二、成瀬昌彦、山本清。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B3%E9%96%80%E6%8D%95%E7%89%A9%E5%B8%96_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E_1974%E5%B9%B4)
時代劇専門チャンネルは加入していても、なかなか『右門捕物帖』の最初のシリーズはやってくれなくて、ようやく東映チャンネルで待望の若い右門を夏からやってくれました。
子連れ右門とかスペシャルはよくやるのですが、これを待ちに待ってたんですよ。
この36話では、男兄弟のうち中谷さんが兄の役。
やっと巡り合えた娘さん・おすみ (真鍋) は廓の中で、彼女を身請けしようと中谷さんは また悪の仲間に入り罪を犯します。その為に おすみ は捕われの身になり、体が弱ってたので中谷さんに抱かれて血を吐いて死ぬのです。
真鍋さんは、杉さんの好みそうな雰囲気と演技力のある女優さんと感じました。
薄幸の女をやらせたら、葉山葉子さんのように上手いでしょう。
中日新聞掲載の「紙つぶて」は関西の私は読めなくて、パソコンで捜します。「この道」の時は取り寄せていました。
神戸新聞では「想いのままに」が連載中です、これは売店に買いに行けます。
これを機会に杉 良太郎という人にも少し興味を持って頂けたら、時代劇ファンの私にとっても嬉しいです。ぜひ、興味深いリポートを お待ちしています (笑)。
http://www.r-sugi.com/
杉さんの公式ホームページも宜しくお願いします、私もコメントしています。…
どうもありがとうございます。
またひとつ、胸の支えがおりました。
調べたところでは この真鍋明子という方、小沢昭一らが所属した 劇団・俳優小劇場 の女優だったようで、メインは舞台だったのかも。
http://www.h4.dion.ne.jp/~terutsuu/TeruW2-HitoHito.html
テレビは、1966年頃から大河ドラマを始め数本の出演歴があります。
劇場映画には出ていないようですね。
ネット上で確認できた出演作を以下、列挙します。
・『源義経』(1966 NHK)
大河ドラマ4作目、全52話。
尾上菊之助主演。弁慶は緒形拳。
真鍋は、源頼朝 (芥川比呂志) の侍女役らしい。端役でテレビ初出演か ?
まったくの余談だが、調べていて頼朝配下の役に高木新平 (戦前のアクションスター。『七人の侍』野武士頭目、『月光仮面』マンモスコングの造型・スーツアクターも) や岸田森の名を発見。
・『泣いてたまるか』(1968.3 TBS) 79話「川は涙の通り道」
1966年春から68年春まで続いた、1話完結の人気シリーズに出演。
渥美清主演で始まったが、青島幸男との交代制になり、この頃は渥美と中村嘉津雄の交代制になっていた。全80話。
終了直前のこの回は中村主演。ゲストは 笠置シズ子、河野秋武。
・『おしん』(1969.12 NHK)
あの国民的連続テレビ小説とは関係がない。夜9時台に放送された30分もの“銀河ドラマ”のひとつ。
大正中期から現代に至る時代背景の中で、大阪の風鈴作りの家で生まれた無気力な男の半生を軸に、世にいう「過保護家庭」の風潮を風刺的に描く。
主演は乙羽信子、八千草薫、江原真二郎ほか。
・『木曾街道いそぎ旅』(1973 CX) 3話
大ヒット作『木枯らし紋次郎』の後番組で、股旅もの。
壺ふりの おしのを探して旅を続ける、ニヒルな「裏街道の銀次」と、陽気な「成り行きの辰」の道中記。全17話。
主演は露口茂、山口崇ほか。
・『右門捕物帖』(1974 NET) 36話「兄弟」 前述
真鍋の役名は おすみ。
“聞き取り”のため、シナリオでは漢字表記かもしれない。
・『破れ傘刀舟 悪人狩り』 (1974 NET) 13話「闇の黒幕」
1974年秋から77年春まで続いた、「てめぇら人間じゃねぇ!たたっ斬ってやる」のフレーズが有名な、蘭医・叶刀舟 (萬屋錦之介) の大暴れ時代劇。全131話。
真鍋の役名は お甲。
1974年のクリスマス・イブに放送された この回のゲストは 江守徹、岩本多代、金田龍之介、村上不二夫。
・『座頭市物語』(1975 CX) 14話「赤ン坊喧嘩旅」
1974年秋から75年春まで放送された、人気映画のテレビ版。全26話。
真鍋は“赤ン坊”の母親で、市と間違えられて 岸田森 に殺される おとよ の役。市が子連れ旅をするキッカケとなる役どころである。
この回は主演の勝新太郎 監督作で、1975年1月16日の放送だった。ゲストは ほかに大谷直子、中山仁。
真鍋の、この作品以後の出演記録はネット上で見つけられなかった。
こうして見ると、1974年後半に当時の人気時代劇シリーズへ連続出演しているのが判る。
『右門』も、その中の1本だったような。
結婚・引退が視野に入った、女優としての「思い出作り」だったかも知れぬ。
その先に待っていたのは、予想もできぬ「辛い運命」だったわけだが…。
http://www.tvdrama-db.com/simple_result.htm?key=%E7%9C%9F%E9%8D%8B%E6%98%8E%E5%AD%90&x=41&y=6
東映チャンネルでやった番組は時代劇チャンネルでもやる事が多いので、『右門』が時代劇チャンネルで始まったら、真鍋明子が出演している このエピソード・36話は絶対チェックしようと思います。
※追記 杉さんの著書によると、真鍋明子は 劇団・俳優小劇場 ではなく「文学座の研究所を出た若い女優さん」と書かれているそうだ。
俳優小劇場は1971年に解散しているので、その後 文学座へ移ったのかもしれない。
また「亡くなって昭和59年で7年になる」とあり、没年は1977年と思われる。(2011年10月14日)