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いつの日か、この子みたいに戻って来れますように [2]
『2001年宇宙の旅』アメリカ劇場公開は、1968年4月6日であった。

日本でも間を空けず、4月11日 (木曜日) に公開されている。 

・ 公開前日の4月10日。シネラマ方式大画面上映が売りのテアトル東京では、名士を集めた試写会が行われた。
竹内博氏の年譜によれば、その会場には我が円谷英二特技監督も来ていたという。
招待は当然だと思うが、不思議な事に、求められたであろう感想・コメントの類が見当たらないのはどういうわけか。
『親指トム』『十戒』『ミクロの決死圏』など、特撮が評判になった海外作品にはエッセイやコメントを残している円谷なのに。
ひょっとして、前週から鳴り物入りで始まった『マイティジャック』の視聴率が思わしくなかったので、コメントどころではなかったかも。

・ 初公開時の惹句のひとつ「未知の世界へ冒険旅行 アッ危い ! 命綱が切れた ! この楽しさ ! 美しさ ! スリルとサスペンス溢れる奇抜な物語 !!」
…嘘はひとつも書いてないコピーだけど、なんか違う (笑)。

・ 日本ではヒットしなかったという説もあるようだが、『卒業』『猿の惑星』『続 夕陽のガンマン』に次ぎ、1968年度洋画興収4位の大ヒットであった。
猿人メイク対決 ? でオスカーを攫われた『猿の惑星』にはここでも負けたが、収益差はネット情報によると2000万円ほど。
『2001年』、「難解」という評判だったが、大画面の見世物映画として大いに実力を発揮したと思われる。

・ “文部省特選”のお墨付きも、児童を持つ我が国のご家族層に威力を発揮した事だろう。
特選の理由 1968年4月22日
「33年後の2001年には、月以外のどんな宇宙へ到達し、そこにはどのような世界が存在するかを描いた空想科学映画。可能とされている未来の科学技術を想定し、未知の空間、宇宙の驚異、冒険を、巧みな映画技術を駆使してとらえた、傑れた作品である」

・ 公開時には新聞広告がらみだが、映画評論家の荻昌弘がスタンリー・キューブリック監督に国際電話インタビューをしている。当時としては画期的だったろう。

・ 「難解である」というので、配給元のMGMは字幕の他に、キューブリックが排した“解説ナレーション”をワザワザ入れた版を作った。
まだまだ大らかな時代だったから、キューブリックの許可は得ていないと思われる。
森卓也氏によると、名古屋の中日シネラマ劇場では、先の[1] で紹介した大詰めの場面に「これは宇宙人が作った部屋なのです」というようなアーサー・C・クラークの原作に基づくナレーションが入ったという。
大阪でも同様だったそうだ。

・公開に先立ち 「週刊少年マガジン」3月24日号では、巻頭特集が組まれた。表紙画はご存じ、小松崎茂 画伯。

ただ、公開直前にもかかわらず、メインメカ・ディスカバリー号 (Discovery) は“ディスカバラー”と表記されている。とてもそうは読めないぞ。

構成は大伴昌司。誤植なのか、大伴の読み違えか、はたまた金星ガニに代表される彼流のネーミングセンスが発揮されたのかは不明。

そういえば、この月着陸船エアリーズ号 (Aries IB。原作の訳では1B号 となっており、モデルキット箱絵なども1-Bと書いてるけど、海外サイトで多く採られている前者が正解のような気もする。原書はどうなのか。) も訳し方によりアリエス号となっている。

・ 1969年3月、ロサンゼルスのドロシー・チャンドラー パビリオンで開催された、第41回アカデミー賞授賞式 (1968年度公開作品が対象) で、特殊視覚効果賞を受賞。ライバル作は『北極の基地 潜航大作戦』。
特撮担当者の人数が多すぎアカデミー規約に反していたため、スタンリー・キューブリック監督が代表として受賞。

キューブリック、生涯唯一のオスカーであった。
オリジナル脚本賞、監督賞、美術監督・装置賞はノミネートだけに留まった。メル・ブルックスの『プロデューサーズ』(日本ではビデオ発売のみだったが、2000年に劇場公開) と、作品賞も獲ったキャロル・リードの大作ミュージカル『オリバー !』に持っていかれたのだ。

※ ウィキペディアによると、中日シネラマ劇場ではMGMマークが出るまでの序曲部分に、3色ライトが廻る独自の“場内演出”もしたらしい。
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