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『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』とM78星雲
河崎実「ウルトラマンはなぜシュワッチと叫ぶのか ?」(2001 メディアワークス) は、実証主義に基づいた特撮本の好著だと思っているんですが、その中に興味深い記述あり。
『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』に登場する、たった一機の円盤 (公開当時、「キネマ旬報」の批評でもツッこまれていたな) で地球を襲撃してくる宇宙人はダレス星人であり、その母星はM78星雲にあると書かれているのです。
この映画の情報が載った特撮本はたくさんありますが、宇宙人の名までキチンと書いているのはこの本ぐらいでは (「キネ旬」のストーリー紹介にも出てこない)。河崎はシナリオを持っているか、大昔にどこかで観てるんでしょう。

で、本題・M78星雲の話。特にヲタクじゃなくっても、これがウルトラファミリーの故郷・ウルトラの国 (星 ? または光の国) のある星雲というのは常識化してますよね。
時は1966年。円谷プロが初のカラー・テレビ用作品として送り出す勝負作、巨大ヒーローもの『ウルトラマン』第1話のシナリオは、東宝特撮映画で実績を上げている関沢新一に発注されました。
ところが、映画とテレビの違いゆえか、どうも良くなかったらしいんですね。そこで、弟子筋で円谷プロ側のメインライターである金城哲夫が直し、第1話の『ウルトラ作戦第1号』が完成します。クレジットは連名表記になりました。その時、関沢によって書かれたウルトラマンの故郷の名、たぶん『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』から流用されたであろうM78星雲のネーミングは残された…と河崎は推論しています。

ただ、ウィキペディアだと、本来M87星雲 (おとめ座に実在する楕円銀河) と書かれたものがシナリオ印刷時に誤植され、今に至るという記述がありますね。どうなんだろう。
「ウルトラマン大鑑」掲載の、ウルトラマンの前身である『レッドマン』企画書などには、M78星雲の名は見当たりません (レッドマンは、母星をX星人に滅ぼされた遊星人であると書かれている)。やっぱりシナリオ段階で初登場したようです。
その10年前、1956年の関沢新一 脚本・監督作『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』にM78星雲のネーミングが出ていれば、誤植説の可能性は低くなると思うんですが…どうでしょ。
そういう調査の資料としても、今回のフィルム発見は重要な意味を持ちますね。

ダレス星人は、こちらの方々のとなり組 ?
| 今週のわたくし2010 SUBCULTURE DIARY 2010 | 11:35 | comments(0) | - | ↑PAGE TOP
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