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特撮10番勝負 [10 完] 来るべき世界のため、貢献する事になる女児
 『来るべき世界』の最後の方、2036年の未来都市の部屋には液晶テレビらしきモノも登場するが。
その前で、おじいちゃんと女児が語らうシーンを覚えているだろうか。

この子役はアン・マクラーレンという名で、撮影当時8歳くらいか。
オープニングにもクレジットされている。
IMDbによれば、映画出演は本作だけのようだが、1930年代中盤にイギリスで、短期間だが少女モデルをしていたところを、メンジース監督にスカウトされたのかも。

1927年にイギリスの名家で生まれた彼女は、戦後オックスフォードに学び、獣医となった後。
動物の発生生物学の分野で先駆的な業績を残す、高名な博士になるのだった !

2002年には、日本国際賞も受賞している。
2007年没。
病死ではなく、夫君と車でロンドンへ向かう途中に事故に遭い、亡くなったという。享年80。

『来るべき世界』という映画に、ホントに来るべき世界のため貢献することになる人が出演していたなんて、凄いことですな。
ウェルズ先生もビックリでしょう。
| 今週のわたくし2015 SUBCULTURE DIARY 2015 | 08:30 | comments(2) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

特撮10番勝負 2015 [9] 巨人機
イマジカBSで、10数年ぶりに『来るべき世界』(1936 イギリス) を観た。
H・G・ウェルズが前年に発表したSFが原作で、シナリオも担当。
ウィリアム・キャメロン・メンジースとヴィンセント・コルダという有名美術監督が組み、ネッド・マンが特撮を担当した、ビジュアル重視のクロニクル映画だ。 

イギリスを模したエヴリタウンが、制作時から近未来の1940年に某国の爆撃を受け荒廃。
さらに、長期に及んだ戦争で撒かれた毒ガスの影響か、奇病も蔓延。
文明は中世のレベルまで落ちる。
その状況が一段落した1966〜70年、高い科学力を温存している飛行家たちの国がやって来て、鎖国状態のエヴリタウンを平和的 ? に制圧。
そして大土木工事の末、画に描いたような科学都市が完成する。
2036年、彼らの指導者は次の目標を月と定め、巨大な宇宙砲で人間を月に送ろうとするが。
反対勢力が計画阻止の暴動を起こし、群衆が宇宙砲に殺到する…。

飛行家の国がエヴリタウンを制圧するくだりで、巨人機の編隊が登場。催眠ガスで抵抗する住民を眠らせると、パラシュート部隊を降下させるシーン。

レトロなメカ好き諸氏には、今なおグッと来る名シーンだが、巨人機にインスパイアされたと思われるメカが、翌年の連続活劇 Dick Tracy (1937 アメリカ) に さっそく登場している。

悪役・スパイダーの乗機だそうで、『宇宙戦争』(1953) にホンモノが登場した、ノースロップYB49爆撃機と似ている。
全翼機は、制作当時の科学雑誌などで取り上げられていた、最先端メカだったのか。

特撮はキューバ出身、セオドアとハワードのライデッカー兄弟チームが担当。

特撮全般をこなすが、特に戦闘機やSFメカ操演の名手として知られ、テレビでも活躍。
『原子力潜水艦シービュー号』(1964 - 68) のフライングサブは特撮マニアの語り草だが、弟ハワードが1969年に50代で早世後は、一線から退いたようだ。
兄セオドアは、1990年に81歳で死去。
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特撮10番勝負 2015 [8] トカゲ使用ドラゴン第1号 ?

昨年秋にブックオフで、ラオール・ウォルシュ監督『バグダッドの盗賊』(1924) の廉価版DVDを買った。
サイレント映画。
カラーの1940年版は たびたび観ているが、コッチは久々である。
四半世紀前、森卓也氏の講座でラストを観たほか、東海テレビの深夜放送を部分的に録画していたが、ドラゴン退治のシーンがあることを最近知り「そんな場面あったの?観たい!」状態になったためだ。

お目当てのシーンは、後半1時間に詰まっている。
姫の心を射止めんと、求婚する3国の王子がお宝探しの旅に。
身分を偽って そこに紛れたバグダッドの美男盗賊、オーバーアクトのダグラス・フェアバンクス。「怪物の谷」で戦ったのは、巨大なドラゴンだ。

暗い谷で生きている種のせいか、アルビノらしい。
一見、「背びれなどのアクセサリーを装着された本物のワニかトカゲ」だが、煙を鼻から吹くのでダミーも併用か。
フェアバンクスが小さく合成され、手を抜いていない。
喉を切り裂かれ、ドラゴンは仰向けとなり絶命する。

そのあと、人間体となる枯れ木、コウモリ怪獣、水底の大グモ、ペガサスも登場。ハリーハウゼン的な特撮映画のオリジンだったか!
独楽のように回転しながら高速移動出来る光学迷彩衣?、魔法の箱で大軍勢を作り出す特撮も見事。
悪役の、上山草人 扮するモンゴル王子はフェアバンクスに殺されることはなく、部下と一緒に高所から弁髪で吊され、ジタバタするオチ。

それにしても、ウィリアム・キャメロン・メンジース (1896 - 1957 『来るべき世界』の監督、『風と共に去りぬ』などの有名プロダクション・デザイナー。凄い貢献してるのに、ノークレジット!) の美術には驚かされっぱなし。
四方向にガーッと開閉する巨大な門のビジュアルなど、多くの映画に影響を与えていると思う。
特撮は優秀だが、クレジットはなし。
時代的に、撮影監督アーサー・エディソン (1891 - 1970) が担当したのか。
エディソンは翌年に、恐竜特撮映画の元祖『ロスト・ワールド』を撮影したほか、『西部戦線異状なし』『フランケンシュタイン』『透明人間』『マルタの鷹』『カサブランカ』を撮った人だ。

部分染色された、状態の良いレストア版(オリジナルは155分、廉価版は148分)もあるらしい。
観たいな。

本物のワニやトカゲに背びれなどを装着して、ドラゴンや恐竜や怪獣に見せる手法は、『超人対火星人』(1936) 『紀元前百万年』(1940) あたりから試みられたと思っていたが、これが第1号 ?

| 今週のわたくし2015 SUBCULTURE DIARY 2015 | 09:57 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

特撮10番勝負 2015 [7] 崩壊と炎上
史実を背景にした、崩壊と炎上のディザスター場面が売りの大作も数年おきに各社で作られた。

MGMの『桑港』(1936)  は、1906年4月のサンフランシスコ大地震と火災をクライマックスにしたメロドラマ。



監督はW・S・ヴァン・ダイク、ノークレジットの第2班監督は なんと、D・W・グリフィスであった。
特撮はジェームズ・バセヴィー、A・アーノルド・ギレスピー他。

20世紀フォックスの『シカゴ』(1938) は、1871年10月のシカゴ大火を見事なビジュアルで再現。



監督はヘンリー・キング。
特撮はフレッド・サーセン、ラルフ・ハメラス他。

ハリウッド式・崩壊と炎上のパノラマは、1930年代最後の記念碑的映画、ワーナーのヴィクター・フレミング監督『風と共に去りぬ』(1939) で描かれた1864年8月のアトランタ炎上シーンで「カラー決定版」となるのだった。

特撮はジャック・コスグローヴ、リー・ザヴィッツ他。
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特撮10番勝負 2015 [6] 世界大戦1940
1933年といえば、2月にもう1本、特撮シーンが有名な映画がアメリカで公開されていた。 
『男子戦わざる可 (べ) からず』。
Men Must Fight の原題の方が知られているかも。
日本公開年がネット記事では不明だが、たぶん33年に公開されているだろう。

元は舞台劇。
第1次大戦から語りはじめる戦争メロドラマのようだが、制作時より近未来である1940年に話は飛び、第2次大戦が勃発。

ユーラシア国がアメリカ本土・ニューヨークを夜間爆撃する、映画ならではのスペクタクルシーンがある。

先述したアメリカの特撮マン、ネッド・マンが腕を振るった『来るべき世界』(1936 イギリス) にも、ロンドンを想定したエヴリタウンが1940年に夜間爆撃を受けるという、予見に満ちたシーンがあるが。
本作は3年以上前の制作にも かかわらず、出来映えは負けていない。

1920年代より、『ツェッペリン倫敦爆撃』(1929)『地獄の天使』(1930) など、飛行船が登場する戦争特撮映画が作られていたが、本作にも登場するようだ。

特撮担当者はクレジットされておらず、不明。
当時の事だから、キャメラマンとしてクレジットされたジョージ・J・フォルシー (1898 - 1988 マルクス兄弟の映画やミュージカルで活躍。息子は編集者として有名、ジョン・ランディス作品の製作も担当) が兼ねていたのかも。
戦後に『禁断の惑星』(1956) を撮影したフォルシーだが、本作には奇しくも監督のフレッド・M・ウィルコックスが助監督で参加していた。
| 今週のわたくし2015 SUBCULTURE DIARY 2015 | 13:17 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

特撮10番勝負 2015 [5] ネッド・マンの世界崩壊特撮
1920年代から30年代の海外特撮は、

『ロスト・ワールド』『キング・コング』系モデルアニメ怪獣もの
『メトロポリス』『一九四〇年』『50年後の世界』系 SF未来都市もの
『超人対火星人』系コミック原作連続活劇 (シリアル) もの
『ツェッペリン倫敦襲撃』『地獄の天使』系 戦記もの
『バグダッドの盗賊』系ファンタジーもの
『ベン・ハー』『十誡』『ポンペイ最後の日』系 史劇もの
『海賊ブラッド』系 帆船海洋アクションもの
『魔人ドラキュラ』『フランケンシュタイン』系 怪奇もの
『桑港』『シカゴ』系 ディザスター・災害もの
『空中レビュー時代』『オズの魔法使』系 ミュージカルもの

などに使われ進化したが、世界崩壊系のスペクタクル映画も作られた。

彗星の地球激突危機とパニックを描く、アベル・ガンス監督のフランス映画『世界の終り』(1931) は有名だが、日本公開は1935年とかなり遅い。

特撮は、マット合成で有名なイギリスの特撮マン、W・パーシイ・デイ (1878 - 1965) である。

アメリカでは1933年、『キング・コング』メガヒットの後、RKOラジオ社が再び特撮大作『世界大洪水』を放った。
ニューヨークを襲う巨大地震とハリケーン !

都市崩壊スペクタクルは冒頭にあり、後は延々と文明復興に向けての人間ドラマが描かれる。
70分しかない映画としては、構成に賛否あろうが…。



このミニチュア特撮を指揮したのは、ネッド・マン (1893 - 1967)。
『来るべき世界』(1936 イギリス) では、堂々の一枚看板でクレジットされた、有名なアメリカ人特撮マンだ。
| 今週のわたくし2015 SUBCULTURE DIARY 2015 | 10:57 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

特撮10番勝負 2015 [4] 殺人光線
1934年公開のアメリカ映画『殺人光線』に登場したロボットは、 ブリキ缶タイプ。
『メトロポリス』(1927 ドイツ、日本公開29年) で画期的デザインのマリアロボットが登場しているのに、先祖帰りしちゃったね〜。

『大佛廻国』の事を調べていたとき、同時期公開だった本作の新聞広告を見かけたが、大ヒット・ロングランの惹句が踊っていた。
全12話・242分に及ぶ連続活劇。
悪徳政治家に発明家の父を殺された青年が、透明になれる装置やレイガンを使い復讐する筋。ロボットも父の発明品というわけだ。
日本公開されたのは、編集短縮版なのかな ?

本作は大ヒットしたこともあり、日本映画に影響を与えたようで、大都映画のサイレント連続活劇
『怪電波殺人光線 第一篇 人間タンク出現』(1936.9)
『怪電波殺人光線 第二篇 天空の脅威』(1936.11)
『怪電波殺人光線 第三篇 晴雲解決篇』(1936.11)
および
『怪電波の戦慄 第一篇 人間タンク出現篇』(1939.9)
『怪電波の戦慄 第二篇 透明人間篇』(1939.9)
は、タイトルやロボット (その名も人間タンク !)、たぶん透明装置登場も含め、パクリ…影響が感じられます。
| 今週のわたくし2015 SUBCULTURE DIARY 2015 | 10:22 | comments(2) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

特撮10番勝負 2015 [3] メカニカル・マン
The Mechanical Man (1921) という映画がある。

チャペック「R.U.R.」 発表の翌年、イタリアで作られたロボット映画だ。
オリジナルタイトルは L'uomo meccanico。
サイレント、連続活劇ではなく1本の作品で、上映時間は80分だが、約26分が現存・DVD化とウィキにある。

模倣・パクリは日本と同様に上手いお国柄、そーゆー作品かと思いきや。

騎士を思わせる面構えのロボットは、重厚で良。喉元の菱形2つは、スーツアクターの覗き穴なんでしょう。
世界初と思われる、ロボットバトルも !
上の写真と、下の写真でヤラれてる白っぽいのが悪玉ロボ。下の写真で腕を振り上げてる黒っぽいのが善玉ロボ…なのかな。

本作が日本公開されたかどうか不明だが、昭和30年代生まれなら「鉄人28号のオリジンでは ?」などと、気をまわしそうだ。
| 今週のわたくし2015 SUBCULTURE DIARY 2015 | 08:46 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

特撮10番勝負 2015 [2] 人間タンク
淀川長治 (1909 - 98) がポリゴン風CGで復活した、動画配信サービスHuluのCMは好評らしい。

日曜洋画劇場でロボットが登場するSF映画を放送すると、淀川解説で たびたび名が出たのが『人間タンク』(1919) というアメリカ映画である。
原題は、The Master Mystery。
『ロボコップ』が1990年に初放送されたときも、語っていた。
幼い頃、相当グッと来た作品なのだろう。

脱出王として知られた大奇術師、ハンガリーで生まれアメリカで活躍したハリー・フーディーニ (1874 - 1926) が仲間と作った映画会社の第1回作品。
とうぜん主演だが、監督はしていない。
ネット情報だと、全15話のサイレント連続活劇で、IMDbによれば30巻に及ぶという。
おおまかに言うと、国際特許会社の権利を巡る内紛・陰謀劇に、黒幕の科学者が造った悪のロボットやガス兵器が絡む内容だ。
http://d.hatena.ne.jp/cinedict/20091008/1255013415
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:BlpCEALG_X8J:http://www.allcinema.net/
prog/show_c.php%3Fnum_c%3D52410%2B%E4%
BA%BA%E9%96%93%E3%82%BF%E3%83%B3%
E3%82%AF%E3%80%80%E6%97%A5%E6%9C%
AC%E5%85%AC%E9%96%8B&hl=ja&rls=GGLD,
GGLD:2004-44,GGLD:ja&prmd=ivns&strip=1

日本で封切られたのは、アメリカ公開の半年後。7巻で上映されたらしい。
大人気で、フーディーニに届いた日本からのファンレターは、今も保存されているという。
連続上映だったと思うが、23巻分の欠落を、弁士がしゃべくりで補ったのだろうか ?

で、どんなロボットが登場するかというと。

ロボット三等兵っぽいんですな !
前谷惟光 先生 (1917 - 74) は、どこかで ご覧になっていたのでは。

なお、劇中に登場するロボットは人間の脳を移植していると言われていたが。
爆弾で倒され調べると、実は中に人間が入っていたというオチだそうです。
でも、力は増幅させているわけで、パワードスーツの先駆だったんですね。

ウィキには、「映画史上初のロボットが登場」と書いてありますけど、我々がロボットと聞くと連想するブリキ缶っぽい造型物という意味で、これ以前にも「ロボット = 機械人形」が登場した作品は沢山あるようです。
それに、チャペックが戯曲「R.U.R. Rossum's Universal Robots」(1920) でロボットという造語を発明する1年前の映画ですから、『人間タンク』の劇中では、ロボットという名称は使われていなかったそうで。
Q the Automaton という名でした。
スーツアクターは、フロイド・ベックレイ (1877 - 1956) という俳優。
最晩年までテレビで活躍していたそうです。
| 今週のわたくし2015 SUBCULTURE DIARY 2015 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

特撮10番勝負 2015 [1] 1918年のロボット登場日本映画 ?
海外サイトで、特撮映画の写真を閲覧していた時に見つけた。
映画のロボットについて書かれた、海外書籍からの複写らしい。

キャプションによれば。
1918年 (大正7) に制作された、日本の刑事映画とある (バディ・コップ・フィルムということは、ロボットと人間の刑事がバディなのか。元祖『ロボット刑事』ですな)。
そのあとの、「天皇ヒロヒトの指示で破棄される前に、一度だけ上映された」というのは、マユツバっぽいけど。
本当に映画のスチルなら、世界でも早い時期に作られたロボット登場映画になるはず。
詳細不明、出所をご存じの方は是非ご教示下さい。

戦前にデパートか遊園地の客寄せ用に作られたロボットと、開発者の2ショット写真のような気がしますけどね〜。
| 今週のわたくし2015 SUBCULTURE DIARY 2015 | 11:42 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP