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2014年のマイベストを考える [3 完]
そうそう、クリストファー・ノーラン監督『インターステラー』に登場するTARSというロボット (CASE KIPP という、名の違う同型機も登場) は秀逸。
モノリス形態から、ケータイ捜査官かゴールドライタンみたいに変型する。

まさかの水上走行もできる、スグレモノだった。

結局。
わたくしがイチバン良いと思った、2014年の事柄は…
スンタリー・ヴィチャノーンさんが、タイの音楽賞で3冠を獲ったことかな〜。

今年の夏、左手指先のふるえを某所で指摘され、母のことも記憶に新しいので、戻ってすぐに脳ドックを受診したが、異常なし。
秋になり、左肩胛骨に痛みが出て、この震えが「五十肩」の前兆だったと判り、安堵。
それにしても五十肩、中年から老人への移行儀式とはいえ、キツイですな !
この痛みに耐えながら、わたくしは年を越すわけなのです。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 10:56 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

2014年のマイベストを考える [2]
・「上條淳士画集 1983 SINCE」
出版は2013年12月なのだが、入手したのは今年の中盤なので。
かつて、作画と公私に渡るパートナーだった、YOKOさんへの謝辞 (写真入り) にグッと来た。
マイベストマンガのひとつ「SEX」(1988 - 92) を、当初予定された版形・紙質で全巻再出版してほしいと思う、今日この頃である。

・『海賊船 海の虎』(1964.8 日活)
井田探 監督。
小学校低学年の頃、父と一緒にテレビで観て面白かった海洋アクション映画があって。
タイトルは不明。わたくしは長年、石原裕次郎の映画だと思っていたが、特定出来ないままだった。
チャンネルNECOで この夏に本作を観て、「これだ !」と確信。
カラーテレビがウチに来て間もない頃で、船体がバスクリン色だったのを覚えており、決め手となった。

1950年、戦後間もない頃の東シナ海。
宍戸錠 率いる海賊船・金剛丸 (キネ旬などでは、千里丸と書かれている) の、気のいい子分たち (今年亡くなった桂小金治、大泉滉、佐山俊二、高品格、野呂圭介、山田禅二など) の描写が素敵。
アメリカの海賊映画から引用しているのだろうが、アニメ『どうぶつ宝島』や『天空の城ラピュタ』にも記憶が重なってゆく。
悲壮感は少な目で、後味も極めて良い佳作。
またひとつ、長年の謎が解けた。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 10:18 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

2014年のマイベストを考える [1]
例年にも増して波乱続きだった2014年も終わる。
マイベストを選ぶ時期になったが、順位付けが難しい。
「忘れがたい災害」や、「いよいよヤバくなってゆく日本の未来」以外で、落とせないものを選ぶと。

・永井一郎 死去
・イーライ・ウォーラック死去
男優では、高倉健・菅原文太の死去も惜しまれるところではあるが、この2人に楽しませてもらった体験は、わたくしの中で今後も大きな位置を占めるだろう。

・サントリー・ハイボールCMの、井川遥ママの店に通いたい !

・日本映画専門チャンネルの企画、日本映画レトロスペクティブで『雪の断章』が放送された時にあった、斉藤由貴インタビュー。
・『スタジオパークからこんにちは』の華原朋美のトーク。
どちらも人生を滲ませ、印象に残る。

・『ゴジラ』のハリウッドでの復活と大成功、期待ほどではなかった日本での興行成績。
・洋泉社の特撮資料本「初代ゴジラ研究読本」の満腹感。「東映特撮物語 矢島信男伝」は出ただけで価値はあるが、掲載写真を もうちょっと充実させてほしいと思う。

・吾妻ひでお「カオスノート」のナンセンス回帰ぶり、良し。

・島本和彦の自伝的マンガ『アオイホノオ』ドラマ化は、ほぼ実名で登場するヲタク系クリエイターたちの雌伏期を爆笑の中に描き、素晴らしかった。

時代を描くため必要不可欠な、劇中に使用される1980年代初頭のマンガ・アニメ・特撮版権クリアは大変だったでしょうね。

・8月にタイで明るみに出た、複数の代理母による出産「事件」。その後どうなったのか ?
20人に及ぶという子供たちの未来も含め、全て有り余るカネで決着つけるんでしょうか…。

・アカデミー賞名誉賞の授賞式でモーリン・オハラに会い、感激した宮崎駿。
『天空の城ラピュタ』『紅の豚』における、オハラ出演作 (『静かなる男』『マクリントック』など) へのオマージュを解説するテレビ局はついに無かった。

・アニメ『TIGER & BUNNY』の劇場版第2弾『The Rising』の、ヒーロー集結カタルシスは、続々公開されるアメコミ実写映画のソレよりも心に残った。

・最初は有線で聴き、気に入った2曲。
乃木坂46の♪何度目の青空か ?
French Kiss の♪思い出せない花
ともに名曲だと思う。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 13:25 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

李香蘭 = 山口淑子、アジア・日本・ハリウッド [41 完]
1958年3月公開 独立プロ系で渡辺邦男が撮った『アンコールワット物語 美しき哀愁』と、芸能生活20年・引退記念作として東宝がオールスターで作った山本嘉次郎 監督『東京の休日』をもって、山口淑子の芸能活動は いったん終了。
その間、米・ABCテレビの日本紹介番組『日本の人々』(1959) 出演もあったが、外交官夫人として夫の大鷹弘を助けた。

夫が1968年に外務省内勤となったのを機に、テレビの仕事を始める。
『この人と…』『3時のあなた』『にっぽんの歌』の司会・ホステス役で好評を博すが、1974年以降は政治の世界へ踏み出すのであった…。

わたくしが初めて山口淑子を知ったのは、小学校から帰ると母が観ていた『3時のあなた』だったはず。

司会の おばさんに そんな華々しい過去があったなど、知るよしもない。

香港のショウ・ブラザーズとアメリカでの出演作を、機会があったら全作 観てみたいと思う、今日この頃である。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 11:07 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

李香蘭 = 山口淑子、アジア・日本・ハリウッド [40]
『神秘美人』と同時期の1957年に撮られた、『一夜風流』は歴史モノだろうか。

香港での公開は、山口淑子が再婚・引退後の翌1958年 夏であった。

ショウ・ブラザーズで撮られた、合作『白夫人の妖恋』を除く李香蘭 名義の映画4本は、全て日本未公開。
ソフト化もされていないようだ。
山口サイドの意向もあったのだろうが、今後 発売されるかも知れない。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 10:50 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

李香蘭 = 山口淑子、アジア・日本・ハリウッド [39]
山口淑子は、1957年に香港で2本のショウ・ブラザーズ映画に出演。
年1本契約を結んでいたのかな。

1957年12月に公開された戦争メロドラマ ? 『神秘美人』では、女スパイ役。
李香蘭 名義である。
監督の華克毅は、若杉光夫 (1922 - 2008) の変名。この年、本作以外に もう一本 香港映画を監督している。
若杉は独立プロや日活で監督を、民芸で舞台演出もした人。女優・南風洋子のご主人だった。
百恵・友和版『伊豆の踊子』の脚本家、『風立ちぬ』の監督でもある。
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李香蘭 = 山口淑子、アジア・日本・ハリウッド [38]
山口淑子が、ブロードウェイ出演時のアメリカ滞在中に公開されたのが、最後のハリウッド映画となった Navy Wife (1956)。
撮影は、前年だろうか。
これも国辱的な描写があるのか、日本公開されていない。
ロケ隊が来日していたのかどうかは不明。

日本に駐留しているアメリカ軍人の奥様が、夫の元へやって来るが…というカルチャーギャップ・コメディと思われる。

ジョーン・ベネット、ゲイリー・メリル主演。
山口淑子はシャーリー山口名義で、明石という役名。となりの奥様的な役どころ だろうか。
デニス・ウィーバー、マーティン・ミルナー、島田照が共演。 
ブレランの「2つで充分ですよ」で有名な、ロバート・オカザキも出ている。
監督は、三ばか大将モノも手掛けたエドワード・バーンズ。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 11:05 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

李香蘭 = 山口淑子、アジア・日本・ハリウッド [37]
『シャングリラ』は、ニューヨーク・ブロードウェイで1956年6月13日より3週間・21回 上演された。

山口淑子は、シャーリー山口名義。
共演はデニス・キング、ジャック・キャシディ、マーティン・グリーン、ハロルド・ラングほか。
演出はアルバート・マッレ。
山口は自伝で、役名をゴールデン・ベルと書いているが たぶん記憶違いで、プログラムではロー = ツェンになっている。

結果的にロングランとは行かなかったが、 ニューヨーク・タイムズの批評は良好。
だが、一般観客には「山口の歌声が小さかった、演技も こなれていない」と不評だった。
しかし、前記のような強行軍の出演状況を考えれば、善戦と言って良かろう。
もしロングランしていれば、彼女の「その後」は大きく変わっていたに違いない。

ミュージカルとは別で、山口の運命を変える出逢いも同時に訪れていた。
当時 国連大使の秘書官 (外交官補) をしていた大鷹弘が、楽屋に ことづかった花束を届けに現れたのだ。

山口は、7歳年下の大鷹と約2年後の1958年4月に再婚することになる。

ところで、ブロードウェイをブロードウェーと表記する場合があるようだが。
今朝のワイドショーでもそうなっていた。
でも、WAYだからねぇ。ブロードウェイが妥当じゃないか。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 09:15 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

李香蘭 = 山口淑子、アジア・日本・ハリウッド [36]
『白夫人の妖恋』が撮影終了する直前の1956年4月中旬、山口淑子はアメリカからの電話を受ける。
舞台のミュージカル『シャングリラ』出演依頼だ。
現在、ニューヨーク・ブロードウェイ公演に向け全米各地を巡演中。
今度はボストンだが「主演のスペイン系女優が良くなく、山口に出て欲しい」という。
彼女の役は、ヒマラヤ山中の桃源郷 (後年、その代名詞となるシャングリラ) に住む美女、ゴールデン・ベル。
迷い込んだアメリカ人技師を慕って ここから出た途端、老婆に なってしまう。
2幕22場の大作だった。

『シャングリラ』は、1933年に発表されたジェームズ・ヒルトンの小説 Lost Horizon が原作。
2度 映画化されている。
フランク・キャプラ監督版『失はれた地平線』(1937) では、マリアという役名でマーゴ (のち、エディ・アルバート夫人となった) が。 
後年のチャールズ・ジャロット監督版『失われた地平線』(1972) でもマリアという役名で、オリヴィア・ハッセーが演じている。

即座にOK。
先方の手回しも良く、航空券や台本が既に日本へ発送されていた。
山口は撮影終了後、機内で歌を覚えつつ、ボストンヘ飛ぶ。
経由するニューヨークの空港では、彼女の衣装を急遽 作るべく採寸するスタッフが待機。
ボストンに着くなり2週間の稽古、初日から出演する強行軍であった。

そして、ブロードウェイの檜舞台へ。
初日は、1956年6月13日。
場所は、『キャッツ』長期公演 (初演は1982年10月) で知られる、ウィンター・ガーデン劇場であった。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP

李香蘭 = 山口淑子、アジア・日本・ハリウッド [35]
山口淑子は、本格的なワイヤーワークによる飛翔を、日本映画で初めて演じた女優でもある。
『白夫人の妖恋』のラストシーンだ。

白蛇の精と一般男性の、道ならぬ愛。
一度は男が逃げたものの、やはり惹かれあう。
だが、現世では上手くいかぬことが多すぎる。
禅師の温情 ? で、2人は邪魔するものがない蓬莱の国へと昇天してゆく…というファンタジックなラストシーン。

池部良と一緒に、多重露光で天上へ舞い上がってゆく特撮は実にスムーズ。
スタントなしで、アクロバットみたいなポーズも。
撮影の富岡素敬によれば、山口は「吊られたことない」「怖い怖い」と騒ぎ、大変だったとか。
そりゃそうでしょう。

『七人の侍』や特撮モノなど、東宝映画で幾多の仕掛けを考案した小道具の山本久蔵が、ピアノ線での人体吊りを担当。
自分と奥様を実験台に、大スターに危険がないようテストをしていた。

人間を吊るワイヤーワークは、次作『空の大怪獣ラドン』で、人間の入った着ぐるみを吊る大技に発展してゆく。
| 今週のわたくし2014 SUBCULTURE DIARY 2014 | 11:24 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP